申請者の記録から見た感染症罹患場所

2017年(平成29年)度共済制度感染見舞金の実績と評価 に戻る

インフルエンザの流行を定点当たりの報告数から1年ごとの変遷を10年間分記載したグラフが、厚生労働省のホームページあるいは国立感染症研究所のホームページに記載してあります。インフルエンザ過去10年間のとの比較グラフ(国立感染症研究所2018.7.27更新)
丁度、10年前の2008年度には年末に大きなピークがありましたが、この10年間ほとんど変わりはありません。共済会の申請数から見た罹患状況も全く同じように変遷しています。

このように毎年同じように繰り返される疾病に対し、何とか手立てはないものかと国を挙げての対策がとられています。2017-2018年度だけ見ても累積患者数は1,500万人を突破しています。またA型とB型が同時に進行したのも2018年度の特徴でした。
これほどの猛威に対策を立てるなら、1に予防、2に予防、3、4がなくて、5に手当てになるのでしょうか・・・。
先ず、①手洗いとマスクの励行。②人ごみに出かけない。③日頃から免疫力をシッカリ付けておく。④早目の予防接種。⑤体調を崩したら無理をせず早目の手当てをとる。
医療従事者の皆様には正に釈迦に説法ですが、この①~⑤の対策が一番であることは言うまでもありません。
一方、インフルエンザや感染性胃腸炎以外に目を向けると、安井良則先生(国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員・大阪府済生会中津病院感染管理室室長)が次のような警鐘を鳴らされていました。
8月に注意して欲しい感染症、No1は「RSウイルス感染症」、No2は「腸管出血性大腸菌感染症」、No3は「ヘルパンギーナ」、だそうです。その他にも要注意として「梅毒」が上げられていました。
RSウイルス感染症は呼吸器疾患の感染症で乳幼児に感染させないようにしなければなりません。既に7月~流行が始まり、8月には本格的に流行が始まるそうです。腸管出血性大腸菌感染症では、8~9月がピークで溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な合併症をきたすことが知られています。免疫力の低い高齢者や乳幼児に接する方は細心の注意が必要です。ヘルパンギーナは8月に患者数が最も多くなることで知られています。夏の間に乳幼児を中心に流行を見せます。医療従事者の皆様が伝播源とならないようにしなければなりません。感染症アラートでは、8月1日現在、北海道から九州地方の全ての地域に「ヘルパンギーナ」の本格的な流行を示す警報が発令されています。梅毒は2010年以降、患者数が9倍に増加しているそうです。特に若年層20代の女性患者の増加がみられるとし、胎盤通過性であることから先天性梅毒が危惧されます。
猛暑の折、熱中症の危険に気を取られ感染症の存在を忘れがちですが、私達の周りから感染症を無くすことは出来ません。運が悪く感染症に罹患した場合、無理をして出勤、出席することなく、「お休みいただく」ことも、周辺に拡散させないために大切な予防です。そして元気になったら、感染見舞金制度を忘れずに思い出していただき申請手続きをお取りいただきたいと思います。昨年、一昨年のケースであってもまだ間に合いますので、是非一度、事務局へご相談ください。

日本看護学校協議会共済会
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