今月のアロマ

ガビガビ肌ケアの強い味方〜サンダルウッド

精油名 サンダルウッド、ビャクダン(白檀)
学名 Santalum album
科名 ビャクダン科
抽出部位 心材
抽出方法 水蒸気蒸留法

秋から冬は空気が乾燥している上、暖房器具の長期、長時間使用、長時間入浴などで、お肌にとっては過酷な時期。こうした外的要因以外に内的要因として、冬はどうしても家にこもって運動量が低下し、皮脂も汗も分泌量が少なくなるため、肌を乾燥から守る私たちが本来生まれ持っている“天然の保湿クリーム”も減ってしまいます。また、新陳代謝が低下するため、肌の新陳代謝であるターンオーバーも遅れがち。肌に白く粉が吹いたように見えてしまう人は、古い角質が肌の表面にカラカラに乾いたまま残ってしまっているから。
お肌の乾燥がひどくなるとかゆみをともなうことも。かゆみの原因は、皮膚内の角質細胞間脂質と皮脂が少なくなることで、皮膚から水分の蒸発を抑制する力が低下し、皮膚からの水分が蒸発することで刺激に対するかゆみの闘値が低くなって起こるのです。
冬の乾燥肌を防ぐには、肌に十分に水分を与え、その潤いをしっかり逃さないことにつきるでしょう。サンダルウッドはそんな乾燥気味お肌対策の一助になってくれる精油の一つです。
 

どこか懐かしい香りはなぜ?

日本には古くから香道という文化があり、私たちには「ビャクダン」といったほうがなじみ深いかもしれないサンダルウッド。深い、爽やかな甘い芳香を放つ香木として知られ、主にインドに生息し、サンスクリットでcandanaチャンダナとよばれ、『日本書紀』によれば、671年の天智天皇の時代に、中国より(漢語では音写されzhantan : 栴檀)持ち込まれたとあります。紀元前5世紀頃にはすでに高貴な香木として日本にも伝わり仏像や仏具の材料として珍重されていたのです。お線香の原料にも使われ、古今東西の宗教や宗教儀式に深く関与し、その香りには鎮静作用があり心をリラックスさせるほか、男性の汗に含まれるフェロモンに似た成分が含まれているため女性には催淫作用があるともいわれています。

 

香りばかりではありません

オリエンタルな香料のイメージが強いサンダルウッドですが、古来より薬としても重要でした。最古の医学ともいわれるインドアーユルヴェーダのチャラカ経典には、サンダルウッドの効果・効能として、「火傷や日焼け、皮膚のひりひり感 を和らげ、 ピッタ体質(熱さをよく出すようなヒト。強い食欲、柔らかい便、汗かき気味、おこりっぽく、知識面では鋭い)の緩和、解毒、身体の痛みや痒みを押さえる」とあり、シュシュルタ教典には、「木材を砕いてペースト状にしたものを使えば、体臭や体のシミが消え去るだけでなく、体が新鮮になる。 顔に使えば、顔はニキビやシワから無縁になり、ロータスの花のように華麗になる」と。漢方でも今でこそあまり薬用されていないものの、理気・止痛の効能があり、胸が苦しい・胃が痞える・食欲がない・冷えて胸や腹が痛むときに使われていました。

 

4,000年の歴史の科学的裏付け

伝承療法としての評判は、現在では科学的にも証明されつつあります。希少な香りは精油に含まれる成分によるものです。その精油の主成分、santalolには抗菌、抗炎症作用があり、特に最近では皮膚がんに対する活性の予防を示す研究報告がいくつか発表され、抗腫瘍物質としても注目されています。また、皮脂バランスを整えてくれることから、乾燥肌〜脂性肌までの肌トラブルに効果的とされていますが、それは4,000年も続くアーユルヴェーダでの実績が物語っているでしょう。スキンケアに取り入れれば、ロータスの花のような美肌が手に入れられるかもしれません。ただし、肌の手入れに関する精油の役目は補助的と考えるのが得策。なぜなら、きめの細かい肌は皮脂バランスのみで決まるものではないからです。あくまで潤いを補った上で、それを閉じ込めることが基本。

 

手作りコスメで美肌と安寧まで手に入れて

では折角のサンダルウッド精油は日常の乾燥肌の手入れにどう取り入れたらよいのでしょう? 洗顔後、まずは手持ちの化粧水をたっぷり肌に浸透させます。その際、大き目のコットンや専用のシートなどを使ってパックする感じで行うとより効果的です。ポイントは軽くタオルドライしたらなるべくすぐ行うこと。次に、足してあげた水分を逃がさないよう膜を作って覆いましょう。膜役になるのが油分。手持ちのクリームでもよいですし、もし入手できるなら、アボカドオイル、ホホバオイルやシアバターなどはそれ自体が保湿成分を含んでいるためこの季節には最適です。これらの油分を媒体にしてサンダルウッドの成分をお肌に届けます。簡単にいいますと、これらのクリームやオイル、あるいはバターに精油をブレンドし、お肌に塗布して保湿しましょう、ということ。ブレンドの目安は各10mlに対して1滴と考えてください。ほんのり肌から漂う心安らぐ香りが自分はもちろん周りの人へもアロマ効果をもたらすこと間違いなし。抗菌作用と、痰を取り除く作用もあるので、風邪シーズンにはウレシイ副産物効果も期待できそうです。